全身に現れる脳性麻痺の過緊張、変形はすべて治せる

 

さて、お父さん、お母さん

 脳性麻痺という、怖い病気、軽い動きの異常から、全身性の重い緊張異常まで、色々なレベルで、色々な部位で起こってきますね。頚のアテトーゼのねじれから、指の先の握りしめから、肩の引きの緊張、肘のつっぱりから、肘の曲がりまで、前腕の回内変形から、手首の曲がり、親指の屈曲、内転まで、体幹では胸の曲がり側弯から腰椎の反りの変形、側弯症変形まで、これまで述べてきた股関節の屈曲、内転、内旋のかがみ肢位、股関節の脱臼、膝の屈曲変形から伸展つっぱり変形、足の各種変形、尖足、内反足、外反扁平足、足指の曲がり、など、色々な緊張、変形、拘縮が、起こってきますね。頚のアテトーゼの場合は、脊椎の骨で、脊髄の神経や、脊髄そのものを圧迫する頚椎症性神経麻痺や、頚椎症性脊髄症になり、その痛みとともに命を縮めていきます。

 少し症状が重くなってきますと、呼吸のための胸の周りの肋間筋などが周りの緊張筋で抑えられ、息の苦しい生き方を強いられることになります。

 お父さん、お母さん、本当につらいでしょうね。でも、これらの動きの緊張からくる辛い苦しみは、今、整形外科の力によって、必ず少なくすることが完璧に出来る事となりました。もうすでに、股関節脱臼を起こしたり、不自由な歩きをもたらす脳性麻痺股関節内転内旋屈曲かがみ肢位は、整形外科手術でかなり柔らかくなって、歩きやすくするなってきます。これまでどこの医療部門でも治す事の難しかったこの股関節内旋変形はきれいにふっくらと柔らかく治るようになってきました。動画1、2、3、4の整形外科痙性コントロール手術の術前、術後の歩きをみてください。もう、股関節内転、内旋変形はもうわたしたちのこの選択的痙性コントロール手術でスタイルよく治るようになっているのです。この整形外科的選択的痙性コントロール手術は、硬い緊張の筋だけを強い筋肉だけを選択的に切り離し、やわらか医、ふっくらとした筋を温存し、このふっくらとした柔らかい筋を鍛え治すという、とっても科学的な方法です。

 この整形外科の選択的痙性コントロール手術は、私が脳性麻痺の整形外科手術を行なう中で、気が付いた、筋の特性にきずいて発案した手術で、アメリカの整形外科手術のバイブルともいえるキャンベルの整形外科手術書でその合理性が語られています。日本の本では、「脳性麻痺の整形外科手術」という創風社出版のなかに語られています。少し難しく語られていますが、是非、万難を排して読んでいただきますと、その精神が分かると思います。わたしの発想が理にかなったものである事が分かるとおもいます。

 この治療法については、多く語ってきましたが、特にこのたび脳性麻痺の股関節クロス股関節内ねじれの治療に詳しく語りました。

 さらに、頚、肘、前腕、母指、手指、股関節、膝関節、足部の治療についても、あちこちにその治療について語ってきましたので、これからはこれまであまり語られることのなかった肩の整形外科選択的痙性コントロール手術について、その意味を色々な方向から語ってみたいと思います。

 

1、脳性麻痺肩関節の整形外科選択的痙性(アテトーゼ)コントロール手術

 脳性麻痺の肩における整形外科選択的痙性コントロール手術での、痙性筋と抗重力筋の関係は次のようになります。ジストニアも同じ関係ですね。

 脳性麻痺では肩が後ろに引かれるレトラクション緊張があります。よく見ると、上胸部で腕全体が背中の方に引かれる緊張ですね。腕全体が体の後ろに引かれるので、腕を体の前においての仕事や四つ這いとか、諸々の作業が全く出来なくなる脳性麻痺の肩の変形、緊張です。とっても重要な緊張筋で、背中の後で肩の固い緊張を作ります。寝返り運動が出来なくなる筋緊張でもあります。3段階の脳性麻痺緊張筋ですね。一番つよく、腱が一番長い多関節筋の広背筋腱の痙性は鋼線がつっぱっているように強い緊張です。その次に腱が長い大円筋の痙性が強く、一番短い腱を持つ小円筋の痙性が一番少ない。でもこの脳性麻痺緊張は緊張は必ず整形外科手術で除いておかなければなりません。脳性麻痺の痙性とはその筋の腱の長さに比例するのですね。

 ①重い脳性麻痺では腰椎、骨盤から始まった広背筋(多関節筋)が緊張し、その腱部は鋼のような強靭さで腕を背中の中心の骨盤に向けて、引っ張っているのですね。この鋼のように硬い緊張は腱部で整形外科手術で完全に切り離しておかなくてはなりません。

 ②もう一つは大円筋が肩甲骨外縁に始まり、上腕骨の方の部分につき、これも腕を背中に回し、ある時は作業能力を低下させます。この筋の腱は中枢部と末梢部とに短くついております。この腱は短い単関節筋ではありますがやはり、やや長い筋であり腕を背中の方向に引っ張る緊張の強い腱成分があり、整形外科による緊張除去が必要になります。末梢部腱は筋内腱延長手術で腱の所だけを整形外科的に切り離しておきます。強い痙性がある場合は、中枢の腱を切る事もあります。

③もう一つ短い小円筋という筋もあります。緊張の強い方では、この筋もやや緊張を有し、短い腱が末梢に付いています。この痙性部分が緊張をもたらす事になります。整形外科的な切離が必要なケースが多々あります。

 この三つの筋が脳性麻痺での肩の伸展方向、背中側の筋腱の脳性麻痺緊張筋になります。背中の上部側に位置する、上段、中段、下段の脳性麻痺での緊張痙性筋といえます。整形外科的な切離が必ず必要になります。。

 これより背中の中枢に位置する棘上筋、棘下筋, 肩甲下筋は肩をやわらかく包み込み、しっかり保持する抗重力筋になります。脳性麻痺では大事に温存し、活性化する筋ですね。


この後、体幹の上部、前面に位置し、腕をからだの前の方向に内旋させる大胸筋の脳性麻痺の痙性とその整形外科について語る事になります。今日お話しした広背筋、大円筋、小円筋と体の軸を中心に拮抗した働きをする緊張筋になります。

2、肩関節前面:大胸筋腱延長術

 お父さん、お母さん、おこさんの腕の動きもふっくらと柔らかく動くようになりますよ。

肩の上の三角筋の形もふっくらと形がよくなってきますよ。勿論、動きも正常化します。

 脳性麻痺では肩と腕と間の緊張、痙性は大きく人の動きを制限します。ここに過度な緊張がありますと、重いお子さんでは四つ這いが出来にくくなります。勿論、体を横向きに倒して側臥位にすることも難しくなります。脳性麻痺には腕を体幹の後の外転方向に引っ張る緊張もあ、この機能についてはすでに述べました。広背筋,大円筋、小円筋の三つの筋ですね。

 そこで、肩をやわらかく動かすには、肩の背中側の緊張ととともに、さらに肩の胸側の緊張も除いておかなくてはなりません。この肩の前と後ろの緊張筋をゆるめますと、肩がふっくらとやわらかく、自分の思うように動かせるようになります。三つの筋、広背筋、大円筋、小円筋の筋に対応して三つの筋が体幹の前の所に発達しています。大胸筋の上行枝、横枝,下枝の三つがあります。