全身性+頚部ジストニアが治った、その2




捻転ジストニア。3回目の手術をおこないました。

少し左への頚の傾きが強くなっています。左の胸鎖乳突筋の切離の量がが足りなかったようですね。


 手術内容
 左頚部屈筋群(胸鎖乳突筋)をさらに1本延長しました。中枢腱を一か所切ったぐらいでは、簡単に頚の斜頸は治ることなく、再発し、再度の全中枢腱の切離が必要だったのです。胸鎖乳突筋はとっても頑丈で、ばねがつよく、いわゆるモグラ叩きとといわれる再発が起こったのですね。一か所切ったぐらいではすぐに再発しやすいのですね。そこで再度これを切る事にしました。

 それ以外に尖足があり、3か所で腱延長をしました。両足の親指の屈曲変形に対し長母指屈筋延長,、2,3,4,5足趾の屈曲変形に対して長趾屈指腱延長術をまず行ない、足指の緊張を少なくしました。さらに凹足変形、緊張に対して足底腱膜を延長しました。これで、足首がやわらかくなっています。これも、足の変形には必ず行なう手術になっています。

 これまでの頚の緊張に対する手術では、なおゆるめ方が少なかったのですね。まだ頚に緊張が軽く残っていたのですね。今回の手術はこの残っていた左筋胸鎖乳突筋をゆるめたのです。なかなか頑固な緊張です。一か所切ったぐらいでは,またくっついてしまい、また曲がるのですねこれを更にゆるめました。徹底的に緩めなくてはならないことを学びました。胸鎖乳突筋は頑丈な緊張筋なのですね。

 頚の再発とともに、両側の足に足趾を曲げるジストニア緊張がありました。これもスムーズな歩きを邪魔します。両足の母指の屈曲変形に対し、長母指屈筋を延長して、これをゆるめます。2,3,4,5足趾の腱,長趾屈筋を延長します。足趾が伸びて立ちやすくなります。足底屈筋腱のゆるめられて、凹足変形も少なくなってます。

 

両股と両膝、右頚と左頚の一部、あごの緊張はまだ残っていますが、体のかなりの部分の緊張筋がゆるめられました。

 術後1時間、頚は更にまっすぐになり、股関節と股関節の曲がりは消え、足のゆびが曲がる緊張がとれました。胸、背中にあった痙攣がなくなったと本人が語ります。みけんに深くきざまれていた縦(たて)のしわは、浅いしわ1本だけになりました
 頚の一歩一歩捻転ジストニアは少なくなってきています。


3回目のジストニア手術:首と両足の手術のあとの2日目。
 

 

良くなった点:
●全身のジストニア捻転の動きは、坐っていると完全にとまっています。上むきに寝ていても動きはなくなっています。
●残っていた両脚の股関節、膝関節、足の曲げのばしのねじれの動きもなくなりました。
●呼吸困難は消えました。
●睡眠が深くなりました。いびきをかいているとの事。
●食欲は回復、ほとんど口にはいらなかった食事が全部食べられるようになりました。12㎏ほどやせていました。
●左くびの痛みがすっきりととれました。
●起き上がって自在に歩けます。(短距離50m位)

 残っている問題点:

●頭のうしろの痛みがある。僧帽筋の上行祉枝の緊張があるのかもしれません。これを切ると頭を 後に反らす力がなくなってはいけないので、温存しています。
●足ゆびが曲がっている。(歩き出すと消える。)
●横向きに寝ていると体が前後にゆらゆらとゆれる。(2~3°か)
●あごのジストニアのかみしめが残る。(口腔外科の先生にお願い出来るかもしれない)


 新たにおこった問題:

●うなじ(頚部)が、両側とも痛い。
●腰、股関節部が猛烈に痛い。(腰、股関節にも緊張があるかもしれない)

((私の独り言)
 あの猛烈な捻転の息つくひまもないジストニアの動きはどこにいったのだろう。
 捻転ジストニアが再発なく治るといった大変なしあわせがおこったのかも知れない。


 反対側の頚に緊張がまだ未治療のまま残っています。逆の変形、緊張をおこさないよう用心して、これをゆるめていく事になります。もう大丈夫。ジストニアの頚と体のねじりは弱める事が出来るようになったのです。

(続き)
ジストニアのねじれ・捻転がなくなった。

 手術前は頚がねじれ頭がぐるぐる回っています。いつまで頚の骨の間にある軟骨はもてるのだろうか。こんなはげしいねじれが来ていて、いつまで体が生きていけるのだろうと心配になる手術前ですね。

 手術のあと、あのすごいジストニアの頚のねじれは消え、まずは一安心、これなら何とか生きていけそうです。奇跡に見えます。


 でも奇跡ではありません。
 現代科学である整形外科の運動医学で研究に研究をかさねて、このジストニアのねじれを止めたのです。頚と体の筋肉の機能を分析して、頚をねじる筋肉、背中と腰をねじる筋をみつけ出したのですね。

 頚と体をねじる筋肉だけを延長して力を弱めて、ねじりの力が働かなくしたのです。これで、これでの3回の手術で頚と体のねじれの力が少なくなり、ねじれが止まったのです。整形外科での筋の機能分析で、頚と体をねじるジストニアの筋だけを延長して、ジストニアのねじりを抜き取る事が出来たのです。

(続き)
 やさしい筋を残さなくては。

 一方で、やわらかい体を持ち上げる短い筋の筋繊維は一本残らず温存します。
 手術のあとこれらの筋が活性化されるのですね。こうしてジストニアの荒々しい動きは体の持ち上げ機能を残したまま完ぺきにとり去る事が出来るのですね。力もたっぷり残るのです。

 頚部捻転ジストニアのような広い範囲のジストニアもすべて正常に可能な限り近づけて治せる、という夢のような本当の話が実現するという現代運動医学整形外科のジストニア治療の話になります。

 いくら首の捻転ジストニアのねじれを動きを、注射や手術で少なくしても、そのあと頭がぐらぐら、ゆらゆらしたり前、後、右、左に倒れては治療としてはなりたちません。このような治療は希望される人はいないでしょう。

私達の選択的ジストニアコントロール手術では、頭を支える、多裂筋、後頭下筋、
という重要な筋肉繊維を一本の筋繊維も傷つける事なく、温存します。これらの短い単関節筋がのこりますと、決して頭がぐらつく事なく、手術のあと、日常生活に復帰出来る事になります。これらの筋が大事なのですね。頭の保持には。

 この頭を支える筋を一本といえども傷つけないジストニア治療法は、この整形外科手術でようやく可能になっています。

 頭をしっかりまっすぐに保てる治療法、これこそがこの一見治療不可能に見える頚部・捻転ジストニアの荒々しい首のねじれの動きを安全にとめる切り札のような気がしてなりません。

 頚部・捻転ジストニアがよくなる治療が稠密な整形外科治療でも可能になる日がやってきています。


3回目のジストニア手術から4日たちました。

 横になって寝ていると少しだけ体が前後に回旋しています。5°位以内でしょうか、もう一息ですね。

 坐ってもらうと頚・頭のねじれの動きは全くありません。捻転ジストニアのねじれは再発して来ていません。

 坐っていて頭は垂直位に保たれていて、右左、前後へのゆれは全くありません。
呼吸の苦しさも全くなくなりました。股関節の痛みも訴えておりません。「頭の左右が痛い。」と語られます。顎を動かす側頭筋の痛みでしょうか。


 一番すごい変化は肌の色です。うすく透けて見えていたバサバサ感のうすピンク色の肌は大きく変化し、肌色のつやのある命のみなぎる肌に変わっておりました。
激しいねじれは肌の感じも変えてしまうのですね。

 顔つきも生気のあるものに変わり、目つきも「今から長生きする」と意欲のあるものに変わっています。「ジストニア緊張をなおす治療してもらってよかった。ここでの治療がなかったら、今頃こうして生きていられなかった。毎日が死にそうでした。」と語られます。お母さんも同感だと言われます。

 まだのこっている、ジストニアの緊張ではぎしりをしたり、頭の側面が痛かったり、脚ゆびが曲がっていたり、と完全に症状がとれていないのが、私にとって充分でないのですが、この体にあふれる生気、生きる意欲を感じて、よかったと感じた術後4日目でした。

 「もっともっと完ぺきによくなりたい、」と語られます。こまかいジストニアの緊張がありますが、これは頚の右側の筋肉がゆるめられていないせい、ととらえ、来月からは頚の右サイドのジストニアの治療にとりかかってみよう、と話しました。
 もっともっと正常に近くジストニアを治してみたく思っています。


 ジストニア、もう一つの奇蹟現代運動医学。頭をまっすぐに保持するには?
 
 ジストニアの筋肉の手術をしたのに頭をまっすぐに保つ筋はしっかり働いて、頚が前後左右にぐらぐらに倒れていないですね。大丈夫。頭板状筋, 頭半極筋、多裂筋、前斜角筋、中斜角筋,後斜角筋など筋腹の短い筋が働きやすくなり、頚が安定するのです。

 頚のジストニアのむずかしさは重い頭を支えて、これがぐらぐらならないように安定させながら異様なねじれを動きをとめる、という事のようですね。

 ジストニアの整形外科で頚の後の筋の力を弱めると頭が前に倒れ、まっすぐに持ち上げられなくなるし、前の方の筋の力を弱めると頭が後に倒れるという大変な困難が待ちかまえる。ジストニアの頚の横倒れでこの手加減を間違えると悲惨な事になりかねない。という事で手術が怖く、放置される事もあり得るのでしょうね。

 ジストニア頚の前の方の筋をゆるめすぎて頭が後のほうに反ってしまったらどうするのでしょうか? どうする事も出来ないですね。ですからまず多関節性筋だけを緩めるのです。

 前・後・右・左の頚の多関節筋だけを切って、ぐらぐらにならないようにする。


 ○○さんの動画に見られるように、整形外科の動きの医学は、このぐらぐらの問題を見事に回避し、立って歩けるだけの頚の安定性を残した上で、ジストニアの動きを減少させています。
 ジストニアの難題解決のきざしが見えています。前、後、右、左の頚の多関節筋を頚の傾きに応じて、適切に切離し、バランスをとるのですね。その時、この4方向の多関節筋は充分切離していい、という事になりそうです。でも、ある程度はジストニアのくびの傾きを観察し、腱を切る量を加減する必要もありそうです。


頚部捻転捻ジストニア:4回目の手術

 今日は最初から数えて4回目のジストニア頚の手術をおこないました。まだ、まだ左側への頚の倒れがあるのです。頑固ですね。左側の頚を曲げるジストニア筋筋胸鎖乳突筋をさらに中枢と末梢の2か所で切離し、さらにやわらかくしました。同時に右側の頚を曲げる筋胸鎖乳突筋のうち1本だけを延長しやわらかくしました。

 全部一緒にのばさないのは曲げる筋を切ってしまって反り頚になるのをさけるためです。ジストニアでは少しずつ曲げる筋と反る筋とを交互にゆるめていかないと、とんでもない反り頚や、横倒れ頚になる危険がごろごろしてますからね…。

 反った頚は現代の一般の医僚では治せない可能性があるのです。ジストニアの頚では、反りをおこす筋を安易な気持ちでゆるめると、ぐらぐらの頚になってしまう恐れがアあるのです。

 こうして今日は右と左の頚を曲げるジストニア筋を用心深く交互に延長し、やわらかい筋に変えました。

 まだ手術が終わって6時間程しかたっておりませんので何ともいえませんが、横向きに寝た時にジストニアの前後へのゆれがなくなったように感じました。

 ともあれ、頚の中に走る頭を前右、後左、前左、後右と4方向に地面にむけて引き倒す荒々しい乱暴なジストニア筋をゆるめ、おとなしい筋に変え、

 逆に頭を上むきに支える紳士的なやさしい力をもった筋を大事に残し、活性化させていけば、この荒々しい捻転ジストニアといえども、頭をまっすぐに美しく保ち、やさしい動きで正常な動きが出て来る、と考えるのが整形外科の中の科学的思考になると思います。

 ジストニア4回目の手術後のおだやかな動きと、まっすぐにゆれなく保持されて頭に勇気づけられ、更に改善を目指します。

(続き)



頚部ジストニア、捻転ジストニアに4回も手術してみて。

  ものすごいスピードで前後左右にねじれながら回旋する頚の捻転ジストニアを前に、頚の回旋を止める治療を求められ、現在、4回も整形外科手術でジストニアの筋を切離し、頚のねじれを激減させる事は出来ました。

 しかも、整形外科手術の手術のあと、頭は前にも後にも、右にも左にも倒れる傾向は全くなく、坐った時、あるいは、立った時もまっすぐに頭は垂直位安定位に保持され、数10mであれば立って歩く事も可能であり、当初の目的がジストニアの動きをとめる事であるとしますと、とてもうまくいっているととらえられます。

 御本人も呼吸が楽になり、食事が全量とれるようになり、何とか楽に寝られるようになったり、生命をおびやかされる状態はなくなり、治療の成果をよろこんでおられます。

 しかし、捻転ジストニアはむずかしい複雑なジストニアですね。
 極端に悪いジストニアの部位が整形外科手術でよくなると、今まで気づかなかったほかの悪い所のジストニアにきづくようになるのですね。それがまた深刻で頭を抱えるような問題なのです。また、胸鎖乳突筋などジストニアの動きを引き起こす筋は丈夫で、再生力が強くて、なかなか一か所を切離したぐらいでは、切った部位が離れる距離が少なく、またすぐにくっついて再発するのですね。

 例えば、
①あごのかみしめが強いのがつらい。口角のジストニアですね。このジストニアには口腔外科医の参加が不可欠ですね。ほかの科の医者では治らない。
②いつまでも頚をまっすぐにして坐っていたり、特に歩いたりするとやはり頭を重く感じるのですね。横になりたがるのですね。一種の再発が起こるのです。

 整形外科手術でどれ位長い時間、頭をまっすぐに垂直位に保てるか、という事も大きな問題となってくるのですね。欲をいえばきりがありませんが、普通の人に近く、頭を支えて長く支えられるかどうか、その支える時間も問題になるのですね。頚がつかれやすいのですぐに横になりたがるのです。一種の再発でもあります。この再発した頚の傾きを再度治せるかという課題もあるようです
どれ程、頭を支える力を残せるか、という事が次のテーマとなります。

 これらのさらなる整形外科の問題が次におこってきますので、これも解決しなくてはなりません
次々に希望が出てきて、次にどうするか、という事になる複雑さがありますが、治療する側としては、さらこれらのジストニアの腱を切って行けばいいわけですから、うまく治せば、これらの問題が解決する、という楽しみもあります。また、患者さんもつぎの整形外科手術、あるいは口腔外科手術を期待するわけですね。この患者さんの場合、少しづつ、ジストニアの選択的ジストニアコントロール手術の筋の切り残しがあり、多くの手術をすることに なってしまいました。この患者さんはさらに残ったジストニアに対してさらなる緊張コントロール整形外科手術を求められました。

頚部ジストニアを整形外科手術で治療してみて。
 
 捻転性の頚部ジストニアの整形外科の手術を開始して、2か月弱になります。

1. あの恐ろしい頚をぐりぐりと絶えずねじり回すような回旋ジストニアの動きは影をひそめまし た。坐ったり立ったり歩いたりしている時は頭はまっすぐに保たれています。
2. 呼吸が楽になりました。
3. 食事が全部とれるようになった事も特筆されていい改善といってよさそうです。
 大きな前進ととらえられます。
4、ところが、次の難題がありそうなのですね。
 一つはあごのかみしめ、という問題です。どうも○○さんのジストニアは、あごのジストニアと頚のジストニアとが組み合わさったジストニアのようなのです。

 あごのかみしめのジストニアで歯がぼろぼろになり、マウスピースをはめていた方なのですね。
整形外科手術で頚の方がよくなった分、あごの方は未治療で残されているので、これがはっきり してきたのでしょうか。両側のあごの関節を痛がります。側頭筋、咬筋というあごをかみしめる 筋のこむら返しと思われますが、整形外科の手におえず、口腔外科の先生にお願いしたいなかなかの難題ですね。
 頚の緊張が充分にとれたら、もう一段検討の課題のようです。

 どうもこのかたの頚部ジストニア本来の原因が左側の頚とあごの間にありそうです。ここの緊張(胸鎖乳突筋)をもう一度切り離した方がいいのかもしれません。

ジストニア緊張を抑える抗精神病の薬をどうする。

 もう一つの深刻な問題、ジストニア筋緊張を少なくし緊張の痛みを除く薬から、なかなか離れにくい、というジストニアを抑える抗精神病薬の習慣性の問題です。あごや頚の筋肉に、たえずこむら返しのような緊張がおこっている頚部ジストニアに対して抗精神病薬で緊張を少なくする内科的治療が行われています
 。

 このけいれん様の緊張を少なくするために習慣性のおこりやすい抗精神病薬を常用しているのですね。残されたこのまま飲むのを続ければ、いずれまたジストニア緊張は起こってくる。この薬を少なくしていく事がなかなかむずかしい。

 「痛くて眠れない。」という事で1日6錠の薬をさらに増量してほしい、と求められるのです。

 抗精神病薬にはジスキネジアという一種のジストニアをひきおこす最悪の作用をもったものもあります。出来れば頚の筋緊張をゆるめる手術をしたあとには、このこむら返しをゆるめる薬は減量したい。あるいはなくしたいですね。しかし御本人はこの抗精神病薬、すなわち抗ジストニア薬ををやめると、こむら返しが強くなり、痛みで眠れないので、薬を増量してほしいと求めるようなのです。

 このジレンマをどう解決するか。ジストニア治療上の大きなテーマなのですね。

 まずは頚と体の間のねじれを整形外科的にもう1~2回ゆるめ、けいれんを充分に少なくしながら、並行して、抗けいれん剤を極力少なく、あるいは必要としないまでに少なくする道を探らなければなりません。ジストニア治療上の大きな問題のようではあります。

 ともあれ全体的に見る限り、捻転頚部ジストニアに対する整形外科手術は、大きく、きわめてねじれを除くのに有効である、ととらえられましょう。
 残された頚と体幹のジストニアをもう少しさらに徹底してとり除いてみよう、と思います。

 明日、5回目の痙縮コントロール整形外科手術を左の頚におこなう予定です。右側の、胸鎖乳突筋の中枢腱と末梢腱をさらに切り離し、右に頚を倒すジストニア筋を弱めます。その上で、更に坑精精神薬を減らします。

 ジストニアの筋,胸鎖乳突筋のねばり強さは、本当に頑固ですね。でも、一つひとつ丁寧に整形外科手術で治していけるようです。

 


続く