整形外科医の見た脳卒中麻痺治療の難しさ

 脳性麻痺、ジストニア、脳卒中という三つの主な動きの障害のうち、脳卒中後遺症も結構治療の難しい病気ですね。脳神経外科もこの硬い痙縮状態をゆるめる事は出来ていないようです。整形外科も足の内反、尖足に対して、細々とあまり効果のない手術をやっている程度に過ぎません。

 脳卒中は大事な人類特有の体の支持筋の動きを司る脳の神経細胞も壊されるので、なかなかこれを修復し、正常化させる事は難しく、医療の手から放置されるという悲しい運命にあります。辛いですね。

 しかし、ちょっと待ってください、明るい所へ帰りましょう。

 脳性麻痺の整形外科治療で育てられた選択的痙性コントロール手術ではどうでしょうか?

 確かに脳卒中は脳の破壊で大事な大事なやわらかいふっくらとした筋が麻痺し、手首や肩が上がらないなど極端な不自由が起きています。従って脳性麻痺やジストニアに見られるようなすっきりした回復はありません。それでも針金のような硬い野生の固縮した筋を切り離し、相対的にやわらかく人の体をしたやさしい筋を活性化しますと、それなりにやわらかく、動きやすく、歩きやすくなるのです。さらにからだの一側だけの麻痺である事が多いわけですから、悪い一側だけをやわらかくすると、体全体としてすごく形や機能がよくなる可能性を持っています。さらに肩、上肢、体幹の手術で呼吸量が増え、声が出やすくなるなど想定外の楽しみもあります。緊張をとる事によって体の痛みがなくなるという望外の喜びもあります。

 難しいけど、頑張れる余地が大きくあります。硬い硬い特別にかたい痙縮、固縮を少しでも多く切りとり、ふっくらしたやわらかい動きの体にして明るい光の輝く世界に帰って行きましょう。薄暗い部屋から飛び出せる整形外科手術が待っています。前を向くのです。勇気をふるい起こしてください。