重い脳性麻痺の治療

 

 皆さん、脳性麻痺は簡単には決して治りません。どこかの神経を切ってすっときれいに治った、なんて事は決してありません。治ったにように見えても、力が弱くなったりそう簡単には治らないのは、誰もよくなった動画や、写真を見せてないのを見ても明らかです。整形外科では、しかし、一つひとつ固い多関節筋の動きをよくして、やわらかくふっくらと、力強く治せるのです。

参考までに重い脳性麻痺の治療をどのように行なっていくのか具体的に語ってみたいと思います。整形外科では股関節から治していきます。

 まず、

 脳性麻痺四肢麻痺で歩けない青少年をどう治すか、全身の麻痺をどう美しく治せるかの総体的な考え方について考えてみます。

 一見してどこから手をつけて治していくか少し語ってみます。

 1、まず股関節脱臼、股内転、内旋拘縮を治す(大腰筋腱切腱術)。一般的には両股関節の内転、内旋、屈曲の変形を治す事から始めます。

 最も一般的なポピュラーな変形は股関節変形ですね。内転、内旋変形が起こり、少しずつ、少しずつ股関節脱臼が起こってきます。この股関節脱臼は少しずつ少しずつ起こってきますので、まずこれを治す事が必要です。これをうまく治して、その上で変形を除いていくのです。脱臼を起こす頑強な荒々しい筋にはいくつかあります。

A. 大腰筋延長術(股関節前面の第一皮切より)

 まず股関節が曲がっているのをなおします。第1の頑強な股内転、屈曲筋で、脱臼を起こす原因の筋は、大腰筋という筋ですね。頑強な内転、内旋、屈曲の筋で、これはボトックスなど筋を緩めさせる注射などでは簡単には緩める事の出来ない、丈夫な粘り強い多関節筋(いくつもの脊椎から大腿骨の小転子にくっつく筋)になります。同じ名前で、一緒に働く筋ですが、骨盤から大腿骨についている腸骨筋という短い単関節筋があります。これはふっくらとしたやわらかい筋で腸骨から大腿骨小転子についています。やわらかく股関節を力強く上げる筋ですね。一般的にはこの二つの筋が合流して腸腰筋と言います。

 脳性麻痺選択的痙性コントロール手術ではこの二つの筋のうち大腰筋は硬くて荒々しく働くので、これをカットして(cut)働かなくしてしまいます。これで荒々し股関節を曲げる力が少なくなります。やわらかくなります。

 一方、単関節筋である腸骨筋はこれからもやわらかく股を曲げてもらいたいので、切り離せず温存するのです。硬い大腰筋のつっぱりは消え、やわらかい腸骨筋だけがふっくら動くやわらかい股関節屈筋に変身します。股関節の屈曲筋がやわらかい筋に変身するのですね。

 さあ、これで股関節の動きがやわらかくなる第一歩の手術が始まります。ほとんどの股関節の曲がったお子さん、股関節脱臼の傾向がみられる人は全部大腰筋を切るこの手術を行ない、体をやわらかくし、脱臼を予防し、しかも曲げる力も残すのです。大事な大事な手術です。

 一方の丈夫なばねのある長くて太い筋、大腰筋は、脳性麻痺の股関節の過緊張を生み出し、股関節を屈曲させ、内側にまげ、しかも、さらに一側に内旋させる極悪の筋になります。スポーツとして走るときには、勢いよく、股関節を曲げるのですけど、脳性麻痺では勢いよく曲がりすぎて、曲がった姿勢をとるのですね。これを手術でゆるめて股関節を延ばし、曲げる力を少なくするのです。でも曲げる方の筋は、単関節筋の腸骨筋がやわらかく働きますので、ふっくらした力は残ります。

この荒々しい筋を切り離しますと、股関節のうらがわの筋で股関節をふっくらとやわらかく伸ばす、単関節筋の大殿筋が働きやすくなり、股関節が伸びてくるのです。大殿筋は股関節の外旋筋ですので、股関節が、外旋気味にスタイルもよくなります。お尻の筋がふっくらと盛り上がってくる何とも言えない豊かさを持った手術なのです

 日本での脳性麻痺の整形外科は、股関節ではもともと内転筋の切腱術から始まりました。クロスを治すのに長内転筋が適切な手術と思われますね。しかし、実態はそうではなく内転筋切腱術では何も治らなかったのです。股は思ったように開かなかったのですね。なにもよくならない手術でした。1950~1960年代の内転筋切腱術に始まった脳性麻痺手術はここで停滞します。いまもこの停滞は続いているのです。

長、短内転筋は本来切ってはならない大事な筋だったのですね。

 しかし、1970年代新しい発表がなされたのです。アメリカのBleckという先生が脳性麻痺の腸腰筋リセッションという手術法をJBJSというアメリカの著書に発表されました。脳性麻痺の股関節屈曲拘縮に対し腸腰筋という大きな股関節屈筋を小転子からはずし、股関節前面に縫い付けるという大胆なかつ画期的治療だったのです。大きな一歩だった気がします。私自身も一歩先を越されたかなとおもった瞬間でもありました。でも素晴らしい発想でもあったのです。荒々しい痙性が取れていく手術でもあったのです。

 しかしよく研究しますと、腸腰筋は関節に縫い付けられるだけなので働かなくなります。屈筋として働かなくなってしまうマイナス面はないのか?という疑問も同時に感じられ、まだ自分の手術とするには抵抗がありました。

 しかし、この時期、これらの脳性麻痺手術を検討し、Baumannn, Rang氏らは大腰筋の内旋筋説を語り、私自身も大腰筋と腸骨筋の間に決定的な機能の差を見つけ、しかも大腰筋が頑強な痙性の高い内旋筋と、したのです。

●大腰筋は長くて太くて荒々しく水平方向にしか働かないけど、効率よく働く体を前に進める推進筋である。

●しかし、一方おなじ腸腰筋の中に位置しているけど、腸骨筋は短かく、体幹を後に倒れないように垂直位に保持し、大腰筋とは異質な大事な抗重力筋であると考えました。単純な考えですが事実のようですね。アメリカの小児整形外科雑誌Journal of Pediatric orthopadicsに発表し、この論文で、私は腸骨筋温存の必要性を語ったのでした。

 脳性麻痺股を治す唯一の解決策は、大腰筋だけを切る、あるいは延長する、と語ったのですね。選択的痙性コントロール手術がここに始まったのです。大腰筋だけを延長する事によって、本当に効果が十分にあったのです。何の問題も起こることなく、ふっくらと股関節がやわらかくよくなる実感のある整形外科手術でありました。

 動画1(術前、術後)に見られる脳性麻痺の少年には第1の選択的痙性コントロール手術の手術として両股関節に大腰筋切腱術が行われています。術後の写真では自分で立とうと努力しているのに股関節は内を向かず、まっすぐにまえを向き、体を支えようとしています。

 動画4(術前、術後)も同様に大腰筋切腱術がおこなわれています。

 私のあらゆる股関節手術にはこの大腰筋切腱術が第1手術として組み込まれています。選択的痙性コントロール手術の始まりです。こうして腱のある長い多関節の筋を見つけ、これをバランスよくゆるめる手術が始まりました。固い腱を抜き取る手術になります。

B、大腿直筋中枢腱延長(股関節第一皮切より)

 大腰筋を切離しただけではしかし股関節はまだ屈曲して、まだ強い緊張緊張が残っています。大腿直筋という太く長い多関節筋という筋があります。これも緩めないと股関節の曲がったかがみ肢位は決してなくなりません。

 Aの大腰筋を切離した後、同じ皮切で、この大腿直筋の延長術をして屈曲緊張を更に緩めるのです。大腰筋と合わせて切離、延長を必要とします。この全ての股関節手術に組み入れます。動画1、2、3、4の手術には組み入れています。これで屈曲緊張はほぼ美しくとれるといってもいいでしょう。さあ、この整形外科の手術で脳性麻痺の股関節の固さがとれてきました。こうして、整形外科ではかたい脳性麻痺の屈曲筋の腱の部分をゆるめて、痙縮を一つひとつ除いていくのです。

C、大腿薄筋中枢腱単独延長術(股関節内側第2皮切)

 性麻痺の股関節の内転変形をではどうやって少なくするか? 長、短内転筋そして大腿薄筋という内転筋群をどうする? 全部切ってしまうか?

 いやいや、温存して長,短内転筋は残し、その外旋力を残すのです。
 

 下肢全体がクロス内転肢位をとっていると、しかも内旋した下肢をどう広げて立てるようにするかという事でこの三つの内転筋のうち大腿薄筋という多関節筋を中枢で切り離してきりはなし、まず少し内転変形を矯正します。股関節の内側を少し開いて大腿薄筋を切り離します。これで股関節はさらにやわらかくなるのです。

 動画1、2、3、4の皆さんはこの手術を行なっています。この長,短内転筋は短い単関節筋なので決して切ってはならないのです。これらの筋は外旋筋でもあります。長内転筋,短内転筋は大事な大事な外旋筋として温存します。

D、大腿筋膜張筋切離術(股関節第1皮切)

 股関節中枢から大たい筋膜にかけて走る筋で脳性麻痺では股関節の重要な内旋(内ねじれ変形)を起こす筋ですね。内旋を治すにはこの筋をゆるめなくてはなりません。中枢部腱あるいは大腿筋膜附着部でこれを横切りして内旋拘縮を矯正していきます。これも同じ股関節前面の皮切で行います。大腿筋膜張筋は内旋を起こす悪い筋なのですね。一つ、一つの内旋筋を丁寧に丁寧にゆるめていきます。

E、半膜様筋腱延長術(股関節第3皮切:お尻の皮切)

 お母さん方、色々難しい腱が出てきますね。脳性麻痺ではこのような内旋筋はすべて切り離さなければ、内旋、内ねじれへんけいは決して矯正されません。次の半腱様筋は内旋筋ですね。中枢かまっしょうかどちらかで切り離したり延長したりしないと、この筋がつっぱる限り決して内ねじれは取れないのです。この半膜様筋は中枢に太い腱がありますので、こちらを切離して内旋緊張を除きます。これで更に内旋変形が除かれます。

F、半腱様筋腱延長術(股関節第3皮切:お尻の皮切)

 半腱様筋も脳性麻痺では強力な内旋筋です。中枢か末梢かのどちらかで切腱する必要があるのです。半腱様筋は中枢が太い筋起始部になっています。中枢筋側筋部は温存し、膝の方で末梢腱をZ状延長します。決して中枢で切ってはいけません。中枢筋は股関節を伸展位に保つ大事な部分です。少しずつ内ねじれが少なくなり、この筋の末梢腱延長で、股関節がより外旋方向にやわらかくなっていきます。脳性麻痺の内旋内ねじれ姿勢、歩行が一段とよくなります。

G、絶対の脳性麻痺整形外科手術:大内転筋果部腱切腱術(第4皮切)

 お父さん、お母さん、脳性麻痺の股関節内転変形を美しく治してあげたいですね。

 脳性麻痺の内旋変形治療、なかなか難しいテーマですけど、整形外科の中でどーんと内旋変形が力強く、なくなるようになってきました。

 最近では大内転筋という筋が脳性麻痺の股関節の重要な内転、内旋筋である事が分かりました。この筋はもともと股関節の伸筋なのですが、同時に最も強力な内転、内旋筋でもあり、必ず脳性麻痺ではカットしてゆるめなくてはならない大事な筋であることが分かったのですね。

 脳性麻痺を美しく治そうとする方々には決して放置してはならない腱、必ず切らなければならない腱ですね。整形外科としてはこの筋は膝関節の内側、内果部附着部で必ず切らなければならない大事な筋ですね。整形外科しか出来ない完全な切離がもっとも効果的な脳性麻痺内旋変形治療の原点といえます。

 この大内転筋を腱内果部で切りますと、あの頑固な脳性麻痺の内旋股関節がすんなり外旋方向に開いてくれるのです。脳性麻痺では大内転筋のハムストリング腱を必ずきって内旋内曲がり変形を美しく治すのです。大内転筋は本来、単関節筋なのですが、その中でこの果部ハムストリング腱の部分は一番筋腹が長く、勿論腱に相当する部分も長く、脳性麻痺では痙縮が強いと捉えられるのです。一種の多関節筋と捉えるのです。

 脳性麻痺内旋クロス変形を本当の意味で治すには、この大内転筋果部腱が重要な内旋筋であるという実体をしっかり捉えて治療をしないと、決して治りません。その意味でこの大内転筋内果部腱が大事な大事な内旋治療筋になります。

 大内転筋を内旋筋として切るという手術は絶対の脳性麻痺の股内ねじれを治す切札としての整形外科手術です。これなしの脳性麻痺股の内旋治療はあり得ないと言えます。

 私の整形外科手術例、動画1例、2例、3例、4例など、すべての股関節手術では全例にこの大内転筋果部腱延長術を整形外科手術を取り入れています。

H、大内転筋、内転筋腱、筋間腱延長術(股関節第4皮切)

 大内転筋にもう一つ大事な筋部分があります。脳性麻痺股関節の重要な内旋筋です。骨盤を後から支える大腿骨の後ろの起始部から始まり、座骨の下面に着いています。末梢より部下半分の薄い腱部だけを部分的に延長します。骨盤を後から支える大半の筋部分は温存します。この筋部分は抗重力筋で温存を図らなくてはなりません。

 半膜様筋延長を行う臀部の皮切りで薄い末梢腱だけを延長します。この筋を残すと、何となく軽い内旋が残るため中間レベルで膜状部分だけを延長します。デリケートな内旋筋なので高さは中間レベルを行う事になります。

 さあ、これで脳性麻痺股関節部の内旋筋はすべて緩められました。ほとんどの内旋筋は緩み、内旋変形が美しく治っていく事になります。これまでの四つの皮切で股関節部の内旋変形治療は終わりです。

 以上、股関節の選択的痙性筋コントロール手術は4か所の皮切で行われます。

 この後は残りの内旋は膝で治すという事になります。

 
2、脳性麻痺股関節の内旋変形を治す膝の整形外科手術

I、膝関節での半腱様筋腱のスライド延長術

 膝関節は筋肉の被覆が少なく、脳性麻痺では用心深い緊張除去の取り組みが必要です。膝の後ろに半腱様筋、半膜様筋という二つの屈筋があり、いずれも強い内旋作用があります。脳性麻痺股関節の内旋緊張をなおすにはどうしてもこの内旋力を弱めなくてはなりません。このうち、半腱様筋はℤ状延長術で膝関節サイドでこれを延長します。これで股内旋力が弱まります。少し多めに延長します

 一方の半膜様筋はすでに中枢側でカットしてますので、膝ではそのまま残します。同じ内旋筋なのに、片方は中枢で緩め、片方は末梢で緩める、というのも面白いですね。なぜそうなるか、考えてみてください。中枢か末梢かどちらかで延長すれば、内旋変形はとにかくよくなるのですね。しかし、半腱様筋は膝の屈曲緊張も同時に緩めています。筋肉の多い中枢側は股関節の伸展力として温存し、やわらかくのばす筋として働いてもらうのです。一方の半膜様筋は股関節で股関節の内旋と同時に股関節の突っ張りをとってやわらかくしているのです。脳性麻痺特有の股関節内旋肢位、変形を治すには、色々と工夫がされるのです。

 さあ、これで曲がった脳性麻痺の膝関節を延ばしながら、同時に膝をやわらかくし、内旋変形も一緒に軽くしていくのです。脳性麻痺の股関節内旋変形治療にははこのような複雑な難しさがありますが、動画1,2,3,4に見られるような美しい矯正が得られるのです。

J、脳性麻痺膝の曲がり変形を矯正する整形外科

 脳性麻痺の股関節の内ねじれとクロス内旋を治すのに、膝関節では一方では半膜様筋の中枢腱を延長し、もう一つの内旋筋半腱様筋を末梢腱で延長しました。これで内旋に働く筋はなくなりました。両方の筋とも脳性麻痺股関節の内ねじれを起こす筋ですね。とりあえず脳性麻痺股関節の内ねじれはこの整形外科手術で治します。
しかし、まだ膝全体の曲がりの緊張は治っておりません。そこで脳性麻痺の膝全体の曲がりを治しにいきます。

 膝の裏に外側の筋、外側ハムストリングといわれる外側広筋という膝の屈筋があります。膝を延ばすには、これをゆるめなくてはなりません。これは同時に膝を曲げる同時に股関節を外旋させる痙縮多関節筋でもあります。これをゆるめたいのですね。しかし切ると股関節が内旋変形になります。ということで、この筋を切るときには、内旋作用を持ったほかの膝の屈筋、半膜様筋の末梢筋を同時に緩め、内旋にならないように調整します。内旋筋の半膜様筋も大腿二頭筋もおなじように筋内腱をほぼ同じような高さで切離し、延長するのです。

 こうして脳性麻痺全体の固く曲がった膝が伸び、同時に大腿二頭筋の外旋力と半膜様筋の内旋力が同時に緩み、膝全体が内旋になることなく、膝関節はやわらかくふっくらと伸びてくるのです。私達の整形外科手術では欠かす事の出来ない大事な手技になります。

 選択的痙性コントロール整形外科手術でやわらかくのびた膝関節は動画4ほか、の動画で見ていただけると思います 。

K、膝の曲がりの強いかたは、両側の腓腹筋の中枢腱の筋間腱の延長をします。

 膝の裏に両側に腓腹筋という筋の中枢側のがあり、強い膝の緊張があるときにはこの筋が緊張して、膝が伸びなくなります。この筋は中枢側に腱があり、この筋内腱が固く緊張しています。膝の裏を開き,この筋の筋内腱を切腱して、膝の曲がりを除きます。膝の裏にはこのほかに膝窩筋という短い膝を曲げる抗重力筋があります。これを温存して、膝がやわらかく曲がるのを助けます。

 

このつぎは膝の伸展筋緊張をコントロールする整形外科手術の紹介になります。

 お父さん、お母さん、もう脳性麻痺、ジストニアはより美しく、やわらかく、力強く治るようになりました. 下肢全体の内ねじれを治す選択的痙性コントロール手術の中味を紹介しました。後に残る膝の伸展緊張をゆるめて、内ねじれの股関節を治す整形外科手術の話は終わりにしましょう。

L、脳性麻痺の膝の伸展緊張を少なくする大腿直筋末梢筋内腱切離術

 この整形外科股関節の内ねじれを治す手術ではありません。でも股関節の内ねじれを治すハムストリング腱(膝裏の腱)をゆるめるときに、起こってくる膝の伸展緊張を少なくする手術として欠かせない重要な整形外科手術の一つであります。

 動画1、2、4、の術前、術後に組み入れられ、膝の曲げ伸ばしをふっくらと、柔らかくする大事な、大事な選択的痙性筋コントロール整形外科手術になります。

 手技としては、膝の大腿直筋の裏側にある末梢側の腱部を横切し、大腿直筋の痙性を抜き去る整形外科手技になります。多関節筋である大腿直筋の痙性を抜き取り、膝がやわらかく曲がるようになります。

 さて、脳性麻痺両麻痺のかがみ肢位、股関節内転、内旋変形について,くわしくその緊張のとり方を整形外科的に詳しくみてきましたが、選択的痙性コントロール手術という考えかたは、従来の整形外科の考え方とは、かなり異なったもので、長い腱を持った特に多関節筋に緊張,痙性がかなり強く、これを選択的に切っていき、痙性を確実に緩めるというユニークな発想で、しかも、例外はまったくなく、抗重力性を持つ単関節筋を完璧に残す、というものです。

 多くの整形外科医が取り組んでおられるのも実際ですし、一方、この選択的コントロール手術に関心を示さない整形外科グループがいるのも、事実です。しかし、お父さん、お母さん、この選択的痙性コントロールを組み入れて脳性麻痺のお子さんを美しく、やわらかく、力強くなおす、という実感を持っている医師も沢山おられます。

 美しく、機能的にお子さんを治そうと考えられる、のであれば、

tms111228@gmail.comにご相談ください。もう、脳性麻痺は出来るだけ美しく、やわらかく、力強く治す時代になっています。

松尾 

これから全身の変形について語っていきます。