脳性麻痺の足の変形:尖足、外反扁平足、内反足をなおす

 

 脳性麻痺のクロス、股内ねじれ歩行をなおすには股関節そのものをまっすぐなおすという事のほかに、足の変形をなおし、力強く体をまっすぐに支える美しい足の形と力強く歩く足の機能をもたらさなければなりません。

 人の足はそれはそれは立つための精巧な機能を何千万年の間に育ててきています。人の何十キログラムもの重い体を狭いあしの裏でしっかり支え、歩き、走る事が出来るのです。勿論立ち歩く能力を獲得するには脳も発達しなければなりません。脳神経系の成熟が不可欠です。同様に立つために体を支える骨、関節系も成熟しなければなりません。また筋系もバランスよく配置され、力強く体を支える精巧な組み合わせで体を左右、前後に倒れないよう働いています。

 よく手の機能が素晴らしく精巧に出来ていると言われ、その通りのですが、足の構造と機能もさらに手の機能よりもより精巧に出来ているのです。

 したがってちょっと脳に異常があってもすぐに筋のバランスが簡単にくずれて色々な変形がおこってきます。足の精巧な機能は軽い脳性麻痺でも簡単に壊され、一つひとつの機能を一気に駄目にしてしまうのですね。精巧な器官なので軽い外反扁平足などはもとより強い外反足、内反足なども同様に、簡単に脳の一部の酸素欠乏状態で筋のバランスが崩れ変形がおこってしまうのです。

 しかも足の裏の地面へのつきが悪くなるので体を支える力が働かずクロスと合わさって立ったり歩いたりの機能が極端に悪くなるのです。整形外科はこの機能の悪い足を正常の足に近い、美しい且つ安定性の高い足に変えなければなりません。

 しかし、この脳性麻痺の変形した足を正常に近く装具の要らない力強い足に変えるのは想像以上に難しいのです。いや、ほとんど不可能に近いのです。精巧な足の構造が壊れているので、これを正常化するのには整形外科の中で精密な科学性が要るのです。アキレス腱延長術などの思いつきの医学では心の底からの満足は得られません。