はじめに:脳卒中の整形外科選択的痙性コントロール手術とは

 脳卒中後遺症は、脳性麻痺と極めてよく似た痙縮を主な症状とする体の硬い麻痺を特徴とする、疾患と言えます。体の動きが悪くなり、硬く思うように動かせない。脳卒中も体の動きに異常がくる怖い辛い病気ですね。脳の中の血管が破れ、手足を動かす脳の細胞が働かなくなり、、手足、体が動くなってしまう、とされています。

 早期の各種外科治療、内科治療、早期のリハビリテーションで麻痺した手足の動きの回復をはかる治療がなされますが、一度破壊された脳は完全に回復されない場合も多く、かたい動きの悪いからだの麻痺が残るとされます。一定の期間がたつと、このかたい麻痺や麻痺からくる変形、拘縮は回復する事なく、装具をつけたり、車いすを與えられたりしたあと、医療の手段から見離された悲しく寂しい人生を送る事になるようです。暗い閉じ込められた人生と表現された患者さんもおられます。

 脳が破壊されているから、もうどうにもならないのでしょうか? このかたい麻痺に対しては脳外科からの救助の手段も無いようにみられます。人の誰にも起こってくる救いようのない硬い麻痺と拘縮、、、。整形外科からの取り組みもあしの変形だけに限局し、全身的な麻痺、固縮のの軽減にまで進めないもどかしさがありました。

 しかし、この何の対応も出来ない不毛の分野に運動医療の整形外科の分野から一つの治療の考え方が示されてきています。治療の考え方は脳性麻痺と全く同じで、選択的痙性コントロール手術を全く同様に行なっていって、やわらかいふっくらとした動きを残し変形、拘縮のない体の形を作っていけば、脳性麻痺と全く同様に美しく治っていきます。

 人の体は面白いものですね。脳卒中のような硬い痙性のある方でも、この痙縮をきれいに取り去って人間のやわらかい筋の活動を助けてやると、やわらかく力強く歩いたり、動けるようになるのですね。

 しばらく脳卒中の整形外科について語ってみます。