あらゆる脳性麻痺変形・異常運動をより美しくより力強く治す

 脳性麻痺という病気、よりスタイルよく美しく、よりふっくらとやわらかく、力強さを残してバンランスよく治す事は一見難しいように見えますね。

 しかし、よく観察して、一つひとつの局所、関節を整形外科的に治していきますと、気持ちよくきれいにやわらかく治っていくのですよ。選択的痙性コントロール手術を用いて、明らかにふっくらと力強いスタイルのいい形になり動きもより正常になっているのです。

動画ページ動画1(a術前)、(b術後)を参照されてください

 歩けない、股関節が内転して尖足が起こってきて、自分一人で立てない脳性麻痺にかかった4歳の幼児です。両方の下肢がつっぱって両股関節は内転、内旋し、両膝はつっぱって両方の足には尖足があります。自分で立てずに、起き上がる事も不可能です。この重度のお子さんでどうやって機能をあげるのか?何か治療の余地があるのか、と迷うようなお子さんです。

① 両股の内転。内旋変形が強く、先々に両側の股関節脱臼が起こってきそうです ね。脱臼を予防する手術を行ない、同時に股関節の内転、内旋を矯正しなくては なりません。 

➁ 次に両側の足に尖足変形が起こっています。このあしの変形も同時に矯正しなくてはなりません。

③ さらに両側の膝も硬い。

④ 背中も反りやすく、変形が起こりそう。

⑤ 両方の肩も硬く動きが悪い。

⑥ 両手はどこまで使えるでしょうか?

 とにかく体全体の筋が緊張して動きがとりにくい状態になっています。

 一つひとつ固い緊張した筋を緩めたいですね。なかなかしかし簡単にはやわらか くはなりません。

● リハビリは無理、ストレッチも効果はありません。

● ボトックスも一時的、長期的には沢山してよくならない。

● 脳神経外科もこの局所には適応はありません。

● 整形外科も従来の内転筋切腱術では無理で再発してきます。色々手術をしても 別の形の変形が起こってきます。

なかなか簡単には治らないのです。という所で私達は整形外科選択的痙性コントロール手術でこのクロス変形を治そうと、苦心を重ねてまいりました。もがきながら次のようなステップの所まで来ています。

 股関節と膝関節で次の幼な手術をしました、

         右             左

大腰筋     カット         カット

大腿薄筋    カット         カット

大腿直筋    中枢腱スライド延長   中枢腱スライド延長

これで股の屈曲を治す。

 

大腿筋膜張筋  中枢腱カット      中枢腱カット

半膜様筋中枢  中枢腱カット      中枢腱カット

半腱様筋中枢  SLスライド延長     SLスライド延長(中枢で腱部だけをゆるめる)

大内転筋ハム腱 末梢腱カット      末梢腱カット

大内転筋内転筋 FL末梢筋内腱部分延長  FL末梢筋内腱部分延長

これで内旋を治す。

 

 両膝では

大腿直筋末梢  FL(末梢筋内腱部分延長)FL(末梢筋内腱部分延長) 

                           ➡膝を曲がりやすくします

半腱様筋   SL(末梢腱スライド延長) SL(同左) ➡ 膝を延ばす

大きく硬い腱の所だけを14か所で緩めました。

 

 足の関節では

長趾屈筋   SL (末梢腱スライド延長)   SL(同左)

長母趾屈筋  SL (同上)          SL(同左))

                              これで指を延ばす。

後脛骨筋   FL末梢筋内腱 下1/3延長   FL末梢筋内腱 下1/3

長腓骨筋   FL末梢筋内腱 中1/2延長   FL末梢筋内腱 中1/2

これで足の内外反を治す。

 

腓腹筋    FL              FL

アキレス腱  SL0.7             SL1・0

まず、腓腹筋だけを切離,更にアキレス腱を延長する。

これで尖足をやわらかく治す。

 

 いずれも長い腱のついた筋だけを選択的に緩めてみました。創は小さく、ほどんとの筋部分は温存しています。

 この手術で下肢の全体の筋はやわらかく変身し動画1-b(術後)に見られるように、体を支えるやわらかい下半身が生まれたのです。両方の足が前を向いて体を支えているのが分かります。繊細に繊細に痙性筋の部分だけを切り離し、抗重力筋成分を温存するとこのように美しくやわらかく治るのです。

 私の経験ではこれ以外の方法ではやわらかくしかも力を残しての成果は得られておりません。まず、クロス、内曲がりの股関節、尖足を持って歩けないお子さんはこの下半身ををやわらかくする選択的痙性コントロール手術が第一の選択となり、更に体幹、上肢は体幹、上肢の痙性コントロール手術を将来検討する事にしています。